近年、複数の疫学的調査の結果、喫煙と歯周病の相関が明らかになっています。喫煙者は非喫煙者に比べ、2.82倍重症の歯周病に罹患しているとの報告(Papapanou 1996)もあります。喫煙が歯周組織に与える悪影響として、以下のことがあげられます。
1.ニコチンの血管収縮作用:歯肉への血液の流れが悪くなるため、酸素や栄養が欠乏したり、老廃物の除去がうまくいかなくなります。 2.歯肉の修復機能に対する悪影響:線維芽細胞の代謝が抑制されるため、治癒に対する反応が悪くなります。 3.白血球の機能の抑制:細菌と闘う白血球の機能が減少します。 4.病原菌に良い環境を作る:酸素の張力が減少するため、歯周病原菌(グラム陰性嫌気性菌)に都合の良い環境を作ってしまいます。 5.歯肉の線維化:歯肉が線維化し、出血など歯周病の典型的な症状が出にくくなるため、手遅れになりやすくなります。